Dr Makoto’s BLOG

脳からイキイキ!ドーパミン ~ときめきとパーキンソン病

パーキンソン病2019.09.30

              *本文はオントナ「あなたの街のドクターがアドバイス」 (廣谷 著)より転載しています。
 仕事や勉強、趣味など生活の色んな場面で上手くいくために必要なもの・・・そのひとつに「継続」や「繰り返し」があるのではないでしょうか。コツコツと地道に繰り返し、続けていくことは実に根気の要ること、途中で投げ出してしまいたくなることも沢山ありますよね。そんななか、時々訪れる「達成感」や「ご褒美」によって私たちは心地よくなり、また頑張ろうという気持ちが湧いてきます。仕事でのボーナスや運動後の爽快感、試験に合格した達成感は心地よい気分になりますし、頑張ったときのお小遣いや自分へのご褒美もなんかもそうです。実は、この達成感やご褒美を感じるときに、脳内ホルモンのドーパミンが増えるおかげで、私たちは日々コツコツと地道に繰り返し、継続することができるようになっています。

 達成感やご褒美とまでいかなくても、日常生活の様々な場面で脳内ドーパミンは増えています。キーワードは「ときめき」。美しい風景や絵画、音楽はもちろんのこと、美人やイケメンにときめく。早寝早起きで太陽の光を浴び、美味しいものを食べてときめく。スポーツ観戦で興奮するときもドーパミンが増えますが、パブリックビューイングなど大勢で応援するとその効果は倍増します。

 パーキンソン病は脳内ドーパミンを分泌する神経が減るために、ドーパミンが出にくくなってしまう病気で、手足がふるえる、声が小さくなる、動作が遅くなってしまう、気分が優れなくなるなどの症状が出るようになります。パーキンソン病の治療はドーパミンを増やす薬物治療が中心ではありますが、このような「ときめき」を感じることで、ご自分の脳から分泌されるドーパミンを最大限に引き出してあげることも大切です。日頃の小さなことにときめきを感じながら、こまめに繰り返しドーパミンが分泌するようにする。そうやって繰り返していくことで、次第にドーパミンが出やすい脳に変化していきます。
 
 薬物治療だけではない、リハビリテーションも含めた様々なアプローチによって、パーキンソン病がながく安定するよう、日々診療にあたっています。

 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩