Dr Makoto’s BLOG

それでいいのだ、リハビリテーション。

クリニック2019.11.25

今日は朝からずっと雪が降り続いています。
急に暖かくなったり寒くなったり、いつになったら冬になるのかを気にしていたら、今年のカウントダウンのニュースが流れるようになっていました。
最近の診察の枕詞は「一年ははやいですね」。毎年のことではありますが、年々気持ちがこもってきます。
 
クリニックでリハビリテーションを続けておられるたくさんの患者さん。
診察室でお話ししていますと、リハビリテーションを続けるのに、みなさんの色んな思いが伝わってきます。
とにかく病気が安定してながく元気に過ごしていきたい、孫とこれからも遊ぶことができるようにリハビリテーションに通っている、生活・仕事のためにとにかく頑張るしかない、家族に強くすすめられているので通っている。みなさん実に色んな思いや事情をお持ちです。
 
最初のうちはリハビリテーションに通い続けるのがなかなか大変なことかもしれませんが、2-3カ月ほど経過してリハビリテーションに通うことが習慣になってしまえば、気持ちが少し落ち着く方が多いように感じています。
                        
そこから先、リハビリテーションを1年・2年…と続けていくためには、通いやすい環境や時間、セラピーの効果、良くなっているという実感、どれも大切なことです。そして、最近感じることは、多くの患者さんが不安と自信をモチベーションにリハビリテーションに通い続けているのではということです。
 
症状が進行することへの不安、家事や仕事が負担になっていくのではという不安、家族へ心配をかけたくないという不安…不安をモチベーションにリハビリテーションに通い続けている方が多いのかもしれません。
一方で、リハビリテーションで手足が軽くなったという自信、家事や仕事が上手くいくようになったという自信、ホッとした家族の表情を見ることができたという自信…これらはリハビリテーションを続けるからこそ感じることができるモチベーションかもしれません。
不安と自信。どちらも感じてあたりまえ、どちらが良いということでもなく、どちらをどれくらいモチベーションの柱にするかは、患者さんによって実に異なるようです。
 
病気をお持ちの方も健康な方も、何かを続けていくために、不安をかき消すように何かに没頭したり、そして時折感じることができる自信を頼りに、いろいろあってもなんとか続けられることがあるように思います。
私自身は、性格的にどちらかというと不安をモチベーションに様々なことを続けているところも多く、自信を感じるアンテナももっと張っていけたらと感じています。
 
「それでいいのだ」とは、みなさんご存知、赤塚不二夫さんの「天才バカボン」で、バカボンのパパが良く言う言葉です。先をみればきりがない、色々やってみて上手くいくときもあればそうでないときもたくさんある。そんな不安なときに「それでいいのだ」と周りの誰かに言われたり、時には自分に言ってあげることは、ちょっとした自信にもつながるような気がしています。
 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩