Dr Makoto’s BLOG

ほそくながく続ける ~パーキンソン病とリハビリテーション

パーキンソン病2020.09.13

ちょっと肌寒く感じ、診察室のクーラーがついていると思って消そうとしました
…クーラーはオフになっていて、窓から冷たい空気が入り込んできていました。
あれだけ暑かった残暑が過ぎ、一気に秋の気配です。
 
釧路からリハビリテーションのためにクリニックへ通っているパーキンソン病患者さん。
絵を描いておられ、年に数回個展を開催するのが生き甲斐のひとつとのこと。
パーキンソン病を発症して数年が経ちましたが、姿勢が歪んできてしまい、ながいこと立ったり作業をすることが大変になってきてきました。地元の専門医に薬の調整をしていただいていますが、次第に絵を描くことも儘ならず、途方に暮れてクリニックへ来られました。
 
彼女にはじめてお会いしたときのことをよく覚えています。年齢を感じさせない活力に満ちた女性で、芸術肌のせいもあるのでしょうか、感情や表現がとっても豊か。色々なお話からこれまで家庭や仕事を懸命に頑張ってこられた様子が伝わってきました。そして、なんとしても個展を続けていきたいという望み、熱意のようなものに圧倒されたのを覚えています。
 
彼女は毎月2泊3日ほどの予定で来札され、集中的にリハビリテーションをされています。自宅でも継続できるメニュー・指導を受けながら日々続けておられるようです。クリニックに通い始めて半年ほど、毎月の診察をしていくうちに、毎回撮影する姿勢の写真でも目に見えて姿勢が良くなり、家事に加えて絵を描くこともスムーズとなってきています。

最初にお会いしたときにも増して、表情が豊かに、はつらつとしてきて、彼女本来のエネルギッシュな姿に近づいてきているようです。彼女と支えておられるご家族の頑張り、リハビリスタッフの関わりに、私もエネルギーをもらっています。
 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩