Dr Makoto’s BLOG

金目のものを握るよりもスクワットを ~握力からみる健康寿命

クリニック2022.02.14

記録的な札幌の大雪から1週間が経ち、やっと日常が戻って来ました。
この週末は陽射しが暖かくなり、積雪が少し減ってきているようです…まだ雪解けのカウントダウンには気が早いかもしれませんね。
 
多くの方が小学生のときにした「体力測定」を覚えていますか?握力、反復横跳び、前屈、ボール投げなどなど…大人になってからは、めっきり測ることがなくなったのではないでしょうか?
 
最近の体重計は乗るだけでからだの筋肉量を測ることもできますが、手っ取り早くからだの筋肉量を反映するのが「握力」と言われています。ホームセンターでも売っている握力を鍛えるハンドグリッパー。このハンドグリッパーを繰り返し握って・握って…握力をアップすることもできますが、実は握力はからだ全体の筋肉量と相関するので、大きな筋肉の太腿をスクワットで鍛えていくと、不思議と握力が効率的にアップしていきます。
これは、スクワットで全身の大きな筋肉を継続して動かすと、IGF-1という筋肉を合成する物質がつくられ、血液にのって全身に運ばれ、筋肉がどんどん作られる仕組みのお陰だそうです。
 
最近よく耳にする「サルコペニア」をご存知でしょうか?
からだの筋肉量が減った状態をサルコペニアと呼び、転倒や身体機能の低下につながる状態として注目されています。
握力がしっかり保たれていることは、からだの筋力量が維持されているということです。つまり、握力をしっかり保つことは、サルコペニアの予防にもなりますし、健康寿命をながくするうえでも大切なことです。これはパーキンソン病をふくめすべての方に当てはまる考え方ですので、はやいうちから意識できると良いかもしれませんね。
 
健康寿命を保つために、握力を鍛える。
握力を鍛えるのに、金目のものを握りしめるのも一見良さげですが(笑)、スクワットを続けるほうがはるかに役立つようですよ。
 
 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩