Dr Makoto’s BLOG

リハビリテーションを始めるのに早すぎることはない

パーキンソン病2022.11.27

ブラボー・ブラボー・ブラボーと叫んだのは、ワールドカップサッカー長友選手。日本中に元気を与えてくれる歴史的な勝利でした。今後も寝不足の心配をしつつ、楽しんで応援していこうと思っています。
 
よく患者さんやご家族から尋ねられることのひとつに、「パーキンソン病のリハビリテーションはいつ始めたらよいでしょう?」との相談があります。パーキンソン病のリハビリテーションを始めるのに、早すぎることはありません、と伝えています。
 
診断がついて間もない患者さんには、「パーキンソン病は上手く力を抜けなくなる病気」と伝えています。パーキンソン病で比較的多くみられる筋固縮・振戦・動作緩慢・バランス障害のいずれも、身体の筋肉に力が必要以上に入ってしまうために起きる症状とも言えます。
 
「身体に力が入った期間」がしばらく続き、脳も身体もそれが当たりまえになってしまい、動きがさらに小さくなってしまう。リハビリテーションの目的のひとつは「上手く力を抜けるようにすること」で、これには身体の使いかたを意識してトレーニングしていくことに尽きます。パーキンソン病のリハビリテーションでは、どちらかというとストレッチなど脱力を目的としたリハビリテーションが中心です。筋力トレーニングも行う場合ももちろんありますが、やり方によっては逆に力が入り過ぎてしまうこともありますので、慎重にすすめたいものです。
 
クリニックでの医療保険を利用した外来リハビリテーションは、初期のパーキンソン病患者さんこそ積極的に導入をすすめています。リハビリテーション頻度はその時々によって増やしたり減らしたりと、フレキシブルに対応していますが、大切なのは「ほそくながく続けること」だと感じています。リハビリテーションのメニュ―がずっと同じいうことはなく、その時々の力の入り具合に応じて、メニューは都度変わっていきますので、「ほそくながく続けること」が大切になってくるのです。ぜひお気軽にご相談ください。

~大雪山雲ノ平からの紅葉

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩