Dr Makoto’s BLOG

暖かくなっていくと ~パーキンソン病と外来リハビリテーション

パーキンソン病2023.04.17

札幌にもついに桜の開花宣言がやってきました。開花宣言早々、この週末は生憎の天気、雪の予報まで出ているようです。はやく青空のもとで満開の桜をみたいものですね。
 
クリニックの外来リハビリテーションは神経難病の患者さんを対象に診療しています。なかでもパーキンソン病患者さんが約7割と多く、次いで多発性硬化症、脊髄小脳変性症などの患者さんも日々リハビリテーションに励んでおられます。
 
現在パーキンソン病でリハビリテーションを受けている患者さんは、ホーエン・ヤール重症度1-2度相当の初期の患者さんが半数を占めます。クリニックでパーキンソン病の診断を受けて、薬剤治療とあわせてリハビリテーションを開始される方が多いです。また、他院でパーキンソン病の薬剤治療を受けながら、当院でリハビリテーションに通う患者さんもおられます。このリハビリテーションは医療保険を利用するリハビリテーション、週に一度から2週に一度くらいの頻度で通う患者さんが多いです。基本は一種目40分、理学療法・作業療法・言語療法から最大3種まで組み合わせて、期間の定めがなく、病状に応じてながく続けていくことができます。
 
パーキンソン病のリハビリテーションでは、実際に筋肉のこわばりを和らげていったり、バランスや歩行の練習、道具をつかった細かな動作の訓練、お腹から大きな声をだす言語訓練など様々なメニューがあります。どれも早期からのリハビリテーションに欠かせないエクサイズです。加えて、リハビリテーションの時間では、起き上がりに時間がかかる、唾液が増えてきた、洗濯物を干す作業が大変、といった日常生活の何気無い変化を気軽に相談する場でもあります。総勢12名のリハビリテーションスタッフは沢山の経験を積んでいますので、都度適切なアドバイスをさせていただいています。ちょっとした身体のつかい方や心がけひとつで、日常生活が随分楽になっていくようです。
 
これからは暖かくなってリハビリテーション通院にも良い季節に入っていきます。引き続き患者さんやご家族の気持ちを後押しできるようなリハビリテーションを続けていきたいと思います。

 
~夕張のシューパロ湖とアーチ橋

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩