Dr Makoto’s BLOG

スイッチバックと3階建て列車 ~ワクワクする思い出

旅行2020.07.12

北海道の夏らしい爽やかな季節がやってきました。紫陽花も見頃を迎えています。
コロナウイルス関連のため、毎月の北見診療にはしばらくJRで往復をしていましたが、7月から行きは飛行機を利用できるようになりました。
帰りはJRを利用していますが、ゆっくり移動するのも良いものですね。
 
ところで、北見からのJRに乗っていていちばん興奮するタイミングがあります。
それは遠軽駅で進行方向が変わるスイッチバックのため、椅子を逆向きへひっくり返す、あの瞬間です。乗ったことのある方ならお分かりいただけますよね。
昔、名寄本線という名寄から興部・紋別・湧別そして遠軽へとつながるルートがあったのですが、現在は石北本線ルートのために、遠軽駅は日本でも数少ない平面でのスイッチバック式の停車場となっています。
 
思い起こせば、実は子供の頃には列車が大好きで、時刻表を眺めては列車の接続を一人で想像したり、お小遣いをためてはNゲージというミニチュアの鉄道模型を集めていました。
 
今回のスイッチバックで思い出したことがあったので、余談ですが…
「3階建て列車」というのをご存知でしょうか?
フロアが3階というのではなく、「行先が3つある列車が連結して走る」という、今となってはとっても珍しくなってしまった列車のことです。
 
小さい頃に、羽幌に住む祖母をよく札幌駅へ見送りに行ったのが、急行「大雪3号・紋別・はぼろ」という3階建て列車です。
全長13両からなる長い列車の急行「大雪3号・紋別・はぼろ」号は、網走行の「大雪3号」と遠軽行の「紋別」と幌延行の「はぼろ」が連結した急行で、札幌駅を17:10に出発します。
 
深川駅で、まず急行「はぼろ」が切り離され、留萌・羽幌線を経由して幌延駅に22:40到着。
そして旭川駅で急行「紋別」と「大雪3号」が切り離されます。
急行「紋別」は、宗谷・名寄線を経由して遠軽駅に23:54到着。
一方、急行「大雪3号」は石北線を経由して網走駅に23:36到着。
13両で札幌を出発した列車が途中で別れて違う目的地へ向かう…なんとも味のある列車が走っていたのです。
 
私も小さいときに一度だけ、この3階建て列車に乗って羽幌へ行ったことがあります。それはもう札幌駅で乗る前から興奮し、深川駅で急行「はぼろ」が切り離される瞬間はそわそわ落ち着かなかったようです。とくに小さい子供にとっては夢のある列車で、思い出すと今でもワクワクしてきます。

 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩