Dr Makoto’s BLOG

自分にはどれ? ~社会保障制度のはなし

神経内科2020.08.15

札幌にも30℃超えの真夏日が来たと思ったら、「夏も終わりなのかな」と感じさせる涼しい日も…今週はなんとも気温の変動が大きい1週間でした。
予報ではこれから暑くなる日もあるとのことで、もう少し夏気分を楽しめそうです。
 
神経難病の患者さんを診療させていただくうえで、大切な仕事のひとつに社会保障制度の手続き案内があります。
私たちがよく患者さんへ案内し、作成する診断書は以下の4つになります。
①指定難病医療費助成費制度(いわゆる「特定疾患受給者証」)
②身体障害者手帳
③介護保険制度
④障害年金 

ごくごくエッセンスをお伝えしますと
①指定難病医療費助成制度 
 神経難病の多くが対象となりますが、一定の重症度など基準に該当していることが必要で、認定されると医療費の自己負担
 額に上限がつくようになります。
②身体障害者手帳 
 1-7級の等級によって受けられるサービスが異なりますが、障害福祉サービスのほか、1・2級は医療費に上限がついたり(重
 度心身障害者医療制度)、所得制限がありますが特別障害者手当金を受給できるようになります。3級以下に医療費の助成は
 ありませんが、公共料金や交通機関の割引、所得税や住民税の障害者控除を受けることができます。
③介護保険制度 
 医療保険とは別のため、医療費の助成はありませんが、介護認定(要支援1・2、要介護1-5)を受け、介護サービスを受ける
 ことができます。
④障害年金 
 20-64歳の間に障害となる病気を発症し、医療機関を受診(初診日)していた場合、1年6カ月症状が固定していることが確
 認されると、初診日に加入していた年金(障害基礎年金もしくは障害厚生年金)の支給を受けることができます。 
 
クリニックに来られている患者さんで、いずれかの対象になる方へ、スタッフから情報をお伝えし、希望される方へ申請手続きを説明しています。とくに指定難病医療費助成制度と、身体障害者手帳1級(起き上がりが難しい)・2級(歩くのが難しい)の場合には、重度心身障害者医療制度を利用することで、ながく通院するにあたって治療費(薬剤費やリハビリテーション費)の自己負担に上限がつくようになるため案内しています。
 
もうひとつ、障害年金は、障害によって収入が少なく・不安定になる場合に定額が支給される仕組みで、医療や介護の場面で使われることはないのですが、生活するうえで非常に助かる社会保障制度です。
病気の初診時に国民年金に加入していた場合は、1~2級の場合に障害基礎年金が支給され、病気の初診時に厚生年金に加入していた場合は、1~3級の場合に障害基礎年金と障害厚生年金が支給されます。基本的に1級や2級は就労が難しい場合ですが、3級は就労が可能な方でも対象となりますので、活動に制限がありながらも仕事を続けている方が障害年金3級を受給することで、少しでも安心して生活できるような仕組みになっています。
なお、障害年金の等級と身体障害者手帳の等級は別のもので、「障害年金=身体障害者手帳」ではありませんのでご留意ください。
 
このような社会保障制度は、病気になって自動的に使えるようになるということではなく、患者さん・ご家族が申請して初めて利用できるようになります。多くの患者さんは「自分はどの社会保障制度を利用できるのだろう?」と疑問をお持ちのことと感じます。
お気軽にクリニックのスタッフへお声かけください、ソーシャルワーカーが個別に案内をさせていただきます。

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩