Dr Makoto’s BLOG

春になると聴きたくなる曲

音楽2024.03.31

いよいよ待ちに待った春がやってきました。この1週間であっと言う間に雪が溶け、週末の公園は散歩やジョギングを楽しむ人で賑わっていました。
 
春になると聴きたくなる音楽がちょっと変わってきます。ショパンのエチュード・練習曲集をご存知でしょうか。基本的に24曲からなっていて、一曲がだいたい5分から8分程度、一曲ずつどんどん調性や速さが変わっていくので聴きやすく、気分転換にもなる音楽です。
 
先日ピアニストのマウリツィオ・ポリーニの訃報がありました。このポリーニのショパン・エチュードは広く知られた名盤で、第1曲のアルペジオのパッセージを初めて聴いたときは鳥肌がたったのを覚えています。とっても正確・端正なピアノのために、時には「機械のようでつまらない」と言われたこともあるようでしたが、ここまで突き抜けると圧巻としか言いようがありません。エチュードは彼が20代の頃の演奏です。ポリーニの弾く第1曲はキラキラした音が淀みなく綺麗に流れていくので、春になるとついつい聴きたくなる曲のひとつになっています。
 
数年前にパリでポリーニの演奏を聴く機会に恵まれました。当時のポリーニは70代後半に差し掛かっていて、ステージで幾分前かがみになりながら、ゆっくり歩く姿が印象的でした。バラードやスケルツォ、ベートーヴェンが中心のプログラムでしたが、20代の演奏のようにテクニックを前面だすというよりは、曲の大きな流れや間の取り方が抜群でした。それでも哲学的・端正な演奏は、20代の演奏そのままでした。聴き終わったあとにジワーっと胸に響いてくるような、訴えかけるような演奏に感激したものです。
 
天気の良い朝はポリーニのエチュードも聴きながら、今年の春を満喫してみようと思っているところです。
 
 
 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩