Dr Makoto’s BLOG

夜明けと冬の北海道 ~ダフニスとクロエ

音楽2026.01.19

1月に入って、本格的な冬がやってきています。朝に目覚めても、まだ静かで薄暗い時期です。嬉しいことに、日の出の時間が少しずつ早くなってきて、カーテンを開ける時間も早くなってきています。
 
この「夜明け」をテーマにした音楽で、一度は聴いたこともあるのではないでしょうか?ラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」の第2組曲「夜明け」。曲の内容をご存知ない方でも、オーケストラ演奏を耳にすると、きっと「夜明け」をイメージすることができる名作です。
 
夜明けというのは、無音に近く、とにかく静かです。この「夜明け」では、いつ曲が始まったのか分からないくらいの、微弱な音で始まります。ハープと木管楽器のとても細かい分散和音が、静かな情景をイメージさせます。同じくして、低弦楽器の地の底で鳴り響くような音が、壮大で神秘的な雰囲気を引き立てています。次第に、フルートやバイオリンの音が、遠くで鳥のさえずりのようになり始め、ピッコロやクラリネットは羊飼いの笛を奏でていきます。やがて低音でうなっていた低弦楽器がゆっくりと音域を上げていき、日の出が迫ってくるのを感じさせていきます。
 
学生時代にはじめてこの曲を聴いたとき、なんて美しい曲だろうと感激したのを憶えています。一方で、いったいオーケストラで何か起きているのか、想像すらつかない、不思議さを感じたのも憶えています。オーケストラのスコア(総譜)をはじめて見たとき、信じられないような曲の緻密さに衝撃を受けました。私がラヴェルに惹かれるようになった、きっかけの曲のひとつです。この曲を聴きながら、冬の時期ならではの、静かな夜明けを楽しむのもよいかもしれません。
 
ちなみに、最終曲の「全員の踊り」は、エネルギーに溢れて最高潮となり、曲の出だしからは想像もつかないようなリズムと大きな音でエンディングを迎えます。全体で20分ほどの曲で、朝のスイッチを入れるにもうってつけの曲です。
 

~トムラウシ山からの夜明け

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩

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