パーキンソン病2026.02.09
ここのところ週末になると大雪がやってきています。雪かきを頑張りつつ、自宅に閉じこもってはオリンピック観戦して過ごしています。今のところ来週にかけて大雪はやってこないとのこと、その予報を頼りにして、今週も穏やかに過ごしたいものです。
たくさんの患者さんやご家族から、「薬物治療のほかにパーキンソン病に良いことはありますか?」とご相談を受けます。
パーキンソン病では、脳内のドーパミンが減ってしまいますので、「どうやって脳のドーパミンを増やすか」が大切なことです。薬物治療やリハビリテーションはドーパミンを増やす効果がありますが、そのほかにも普段の心がけで、ドーパミンを上手に増やす秘訣があります。
多くのパーキンソン病患者さんには「調子の良い日・調子の良い時間」があるようです。そして、しっかり眠った翌日、休憩後、昼寝後、軽い運動のあとにドーパミンが増え、調子が良くなっていることが多いようです。どうしてなのでしょうか?
これには、「パーキンソン病患者さんの脳は一度に出せるドーパミンのストック(貯蔵庫)が少ない」ことがあります。つまり、健康な状態の脳は「たくさんのドーパミンを持続して分泌」できますが、パーキンソン病では「少ない量のドーパミンがじわじわとしか分泌」されず、ドーパミンが増えやすい運動や休憩の後にも「少ない量のドーパミンが短時間しか分泌」されません。ドーパミンの分泌が少ないと、疲労によってドーパミンがすぐに枯渇してしまうために、ふるえる・動きにくいといった「調子が悪い状態」なると考えています。
それでは、ドーパミンのストックが少ないなかで、どうやって付き合っていくと良いのでしょう?ここは発想を逆転して、「1回のドーパミン分泌は少なくても、何回も分泌させることで、トータルのドーパミンを増やしていく」こと、つまり、「こまめに繰り返しドーパミン」のイメージが大切と考えています。
そのためには、自分にあった運動強度・運動時間、休息時間を探って、「ドーパミンをこまめに分泌させる」ことが大切になります。ドーパミンの減りやすい「過度な運動」「睡眠不足」「疲労」は避けたいものです。診察のときに、「よく眠れていますか」「軽い運動はできていますか」「疲労が翌日に溜まっていませんか」と尋ねるのはそのような理由のためです。ドーパミンのストックは患者さんによってまちまちですので、診察を重ねていきながら、上手に探っていきたいものです。

廣谷 真Makoto Hirotani
札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長
【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。
【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩
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