Dr Makoto’s BLOG

100歳おばあちゃん ~思考の老化とアンチエイジング

クリニック2021.05.16

札幌は八重桜がピークを迎え、ライラックも咲き始めてきました。
西日本ははやくも梅雨入りとのニュースに驚いていますが、そういえば札幌もここのところ週末は雨が続いています。今シーズンはちょっとした登山をはじめたいと思っているのですが叶わず、晴れの週末が待ち遠しいこの頃です。
 
「新型コロナウイルスから回復した100歳の女性」ニュースでご存知の方も多いのではないでしょうか。とても100歳とは思えないような、はつらつとした表情、元気なしゃべり方。趣味は「生ビールを飲みながら麻雀をすること」と言うから、なんともパワフルです。きっと、好きなことを続けていくのが、最高のアンチエイジングになるのでしょうね。
 
ところで、「新しいことを覚えるのが億劫」「昔に比べて融通が利かなくなった」と、変化を避け、自分の経験則に頼って物事を語るのは、思考が老化した証拠とも言われます。私もハッとさせられることが多々あります。
 
新しいことをチャレンジしてやり遂げたときの達成感。これは快感を生み出す脳のドーパミンによる仕業で、脳はその快感を再現しようとするため、再び新しいことをチャレンジしようと意欲が湧くようになります。この繰り返しによって、思考の老化を防ぎ、若々しい脳を保つことができるようです。
 
前述の100歳女性は、心と体を見直すため78歳から気功をはじめ、嫁婿が住むスペインに行くため80歳からスペイン語を学び、90歳にはデッサンまで始めたのだとか。まさにチャレンジ、達成感、繰り返しが習慣となって、最高のアンチエイジングになっているようです。
 
「“今を楽しく”今っていうのは永遠に今だから、その今を楽しく過ごすことが私のスローガン」。そんなふうに言い切れる100歳、とっても素敵ですね。
 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩