Dr Makoto’s BLOG

紅葉と学会の秋

クリニック2025.10.26

札幌市内の公園も紅葉がだいぶ見頃になってきています。中島公園は「さっぽろ焼き芋テラス」というイベントも開催されていて、ホカホカの焼き芋を食べながら紅葉を楽しんでいる方で賑わっていました。
 
四季のなかで、春と秋は「学会シーズン」とも呼ばれ、たくさんの学会が開催される時期です。この秋は、クリニックのリハビリテーションスタッフが、4件の講演をします。10月はスタッフが集まって本番さながらの予演会が続いています。
 
いずれも、日常診療のなかで、患者さんやご家族のご協力があっての研究発表です。私が感心したのが、スタッフの発表のなかで、「患者さんやご家族がその研究介入をどう受け止めたか」という視点がしっかり含まれていたことです。学術的には「得られたデータをどう解釈するか」ということが注目されますが、とくにリハビリテーションでは、「患者さんやご家族の受け止め」といった、一見データには現れにくい点も、大切な視点になると感じています。
 
招待講演を受けたシンポジウムの発表では、医療用HALの治療成績を中心に講演がすすんでいきます。そして後半には、神経難病患者さんがどうやって将来の夢をかなえていくか、そのためにリハビリテーションができる可能性を熱演していました。聴いていて、最後は胸がジーンと熱くなるような発表でした。
 
様々な視点で考えていき、オリジナルの研究を発信していくことは、明日からの診療できっと幅が拡がっていくはずです。ご協力いただいた患者さんやご家族に、この場を借りて感謝申し上げます。
 
□第9回日本リハビリテーション医学会 シンポジウム
 飯島健介「神経筋難病患者のQOLを支えるリハビリテーション戦略」
□第23回日本神経理学療法学会学術集会
 後村圭太「重心動揺リアルタイムフィードバックを用いたパーキンソン病患者の立位姿勢制御への調整的介入」
 石坂美波「家族参加型ホームエクササイズがパーキンソン病外来患者2例のQOLに与えた影響:ABシングルケースデザイン」
□厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)スモンに関する調査研究班 スモンの集い
 石坂美波「スモン患者に対するHAL治療の効果」
 

~中島公園の紅葉 
 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩