Dr Makoto’s BLOG

夏とタンゴ

パーキンソン病2019.07.08

北海道らしいカラっとした初夏、待ちに待った快晴です。
公園にはラベンダーの花も少しずつ咲き始めています。

バンドネオンという楽器をご存知でしょうか?
アコーディオンに似た蛇腹楽器ですが、ピアノのような鍵盤ではなく、沢山の小さなボタン鍵で音を鳴らします。エネルギッシュな熱い音も出ますし、ちょっと乾いた涼し気な音も出る。実に多彩な音色を持った楽器で、タンゴで良く用いられています。

寒い冬・暑い夏の季節になると、私はついついピアソラのバンドネオンを聴いてしまいます。
有名なAdios Noninoのメランコリー、息を呑むようなChin Chinの熱演、1984年モントリオール・ジャズフェスティバルのライブは、非日常を感じさせてくれます。

ところで、アルゼンチン・タンゴはパーキンソン病にも良いと、最近言われるようになっています。ホールダンスでリズミカルにステップを踏むことが、すくみ足や歩行障害に効果的と考えられているのだとか。また、パーキンソン病では同時にふたつ以上のことをこなす「マルチタスク」が難しくなると言われていますが、タンゴのリズムに従いながら周囲と同調させていく作業が、注意力やマルチタスクの向上に役立つとも考えられているようです。

ピアソラのタンゴは、とても踊るためには向きませんので(苦笑)、もっぱら聴くことてドーパミンを増やしてみてはいかがでしょうか?

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩