クリニック2025.06.28
7月を目の前にして、今年も指定難病制度の更新時期がやってきました。クリニックではパーキンソン病や脊髄小脳変性症患者さんなど、多くの患者さんがこの指定難病制度を利用し、「難病手帳」をお持ちです。クリニックでは先週から、更新手続きに必要な臨床調査個人票の書類受付が始まりました。
この臨床個人調査票には、患者さんひとりひとりの細かな症状などを記載していきます。毎年作成している調査票ではありますが、1年間で症状や治療薬が変化していることも多く、私も記入しながら、患者さんの診療1年間を振り返る良い機会になっています。
ところで、難病手帳のなかには「自己負担上限額管理票」という黄色い小冊子が入っています。この小冊子には、毎回の診療や処方などにかかった医療費が記録されており、指定難病の更新に提出する大切なものです。
とくにこの時期の診察室では、患者さんの診療が始まるまえに、この黄色い小冊子にざっと目を通すようにしています。何を見ているかと言いますと、「1か月の自己負担で10,000円を超えた月が、この1年間に6回あったか」を確認するようにしています。これに該当すると、指定難病制度の「高額かつ長期」に該当するようになり、更新される新しい難病手帳では、自己負担額が下がっていく仕組みになっているからです(すでに「高額かつ長期」に該当している患者さんは、自己負担額は据え置かれます)。
ながく安全に治療を続けていくために、医療費のことは避けられないポイントです。更新される患者さん・ご家族は、この黄色い小冊子に記載された医療費を、是非振り返っていただくことをおすすめします。
~幌尻岳と七ツ沼カール
廣谷 真Makoto Hirotani
札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長
【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。
【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩
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