Dr Makoto’s BLOG

はやめの言語療法でながく元気に

パーキンソン病2025.06.23

今年の札幌は6月にして、すでに暑い日が続いています。診察室では「今年の夏はどうなってしまうんでしょうか?」なんて話をしていて、みなさんちょっと気がかりのようです。どうかくれぐれもご自愛ください。
 
この度、言語聴覚士のスタッフが愛でたく産休に入ることとなり、6月より本院(北海道脳神経内科病院)で活動してきた女性スタッフがクリニックに加わりました。彼女がクリニックで言語療法の診療を始め1か月が経とうとしています。クリニックの患者さんが本院へ入院されたときに彼女が関わっていた方もいて、すでに患者さんの言語・嚥下機能に加えて生活背景も把握できていることが多く、大変頼もしく感じています。
 
手前味噌ではありますが、北祐会のリハビリテーションスタッフは、患者さんとのコミュニケーションを円滑にとっていける姿勢や風土があります。なかでも、言語聴覚士は言葉のスペシャリストということもあり、患者さんの困っていることや感じていることを汲み取っていくことに長けていると感じています。笑顔の柔らかい、とても思慮深い女性です。もう1名の男性スタッフとともに、クリニックの言語療法を支えていってくれると期待しています。
 
ところで、パーキンソン病患者さんのリハビリテーションでは、身体のこわばりやバランスを安定させたり、姿勢や手先の細かな動きを改善させるために、理学療法や作業療法を受けている患者さんが多くおられます。一方で、とくに初期のパーキンソン病患者さんでは、言語療法のみを受けている患者さんも多くおられます。伺うと、仕事の場面やご家族とのコミュニケーションをもっと円滑に図りたい、いう希望で言語療法に励んでいる方が多いようです。
 
日頃からパーキンソン病患者さんとご家族には、「『転んで骨折とムセて肺炎』をしっかり予防していきましょう」とお伝えしています。とくに、のみこみ・嚥下機能については自覚症状がなくても、早期から言語療法に取り組むことで、将来的にしっかりとした栄養・体重管理ができるようになり、肺炎の予防にもつながっていきます。どうぞお気軽にご相談ください。
 
 
~恵庭岳からのオコタンペ湖と羊蹄山

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩