Dr Makoto’s BLOG

クリニックに来るときくらいは

クリニック2022.07.10

「暑いですね~!」夏に入ってから診察室はこのやり取りから始まるようになってきました。節電要請のため、ビルのエレベーターホールの照明と空調は落とされていますが、クリニック内は可能な限り快適な温度になるように設定しています。頑張ってリハビリを終えた患者さんには、うっすら汗をかいている方もおられます、頭が下がる思いです。
 
クリニックに通院している患者さん、パーキンソン病、多発性硬化症、脊髄小脳変性症などの患者さんは、日常生活でなんらかの不自由を感じている方が多くおられます。着替えがなかなか上手にできない、トイレへ歩いていくのに時間がかかってしまう、トイレでのズボン上げ下げが大変、入浴を家族に手伝ってもらう…。どうしても出来ないことに目がいきがちですが、サポートする家族も、出来ないことをどうやったらうまく出来るようになるか、みなさんが工夫しながら日々の生活を過ごしておられます。
 
とくに、高齢のご夫婦で生活をしているときには、サポートする方も体力的に余裕がないために、どうしてもいっぱいいっぱいの心境になりがちのようです。懸命にサポートしているものの、なかなか上手くいかないときに感じる遣る瀬無さ。先日いらしたパーキンソン病患者さんが、ボソリと「自分の居場所がない」と言っておられました。外部から色々な介護サービスを導入したとしても、おそらくご家族との関係が安定しないことには、なかなか解決しにくいことのように感じています。
 
自宅の生活では「出来ないこと」にどうしても目がいきがちです。クリニックに来るときくらいは「よくよく頑張っていますね」と日頃の頑張りを労い、リハビリテーションでも上手く身体をつかえた時には「良いね~!良いですよ!」と褒め、少しでも気分が明るく、少しでも自信をもって帰ってもらえるような関わりをしています。
 
クリニックに来たときに、自分や家族の頑張りを認めてもらって、帰ってからまた続く日々を頑張って生活する。みなさんその繰り返しで、精一杯頑張っておられ、気づけば1年・2年・5年と時間が経っていくようです。私たちも精一杯応援いたします。

 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩