Dr Makoto’s BLOG

ひとつの場所に集まって歌いたい 

音楽2020.03.30

日中はポカポカとした陽気が続き、芝生もだいぶ顔を出すようになりました。
この3月は本当にあっという間に駆け抜けていったような気がします。
 
私は幼稚園のとき、ひとつ年下の妹がピアノを習っている姿をみて「自分もやりたい」と親に頼んだそうです。ところが、小さな子供の言い出すことです、親もどこまで本気か様子をみていたのでしょう。すぐにはピアノを習わせてはもらえず、小学校に入学してからも習いたいと言い続ける姿をみて、ピアノを習わせてもらえるようになりました。念願のピアノ、最初の頃はとても嬉しくて、ずっとピアノを弾いていた記憶があります。
 
ところが、小学4年生ときにサッカーを始め、またちょうど流行り出したファミコンにのめり込んでいきました。思春期に差し掛かったことも重なり、ピアノを習っていることを恥ずかしくて言い出せませんでした。案の定、ピアノの練習をだんだんさぼるようになり、週1回のレッスンを嫌々受けているような時期でした。ピアノを辞めたいと言ったことは数え切れず、それでも一度始めたことに親はOKを出してくれませんでした。
 
転換期は中学生になったときです。今思えばまったく不純な、ちょっと可愛らしくもある動機です。初恋のすごくピアノが上手な女の子に近づきたくて、気付くとピアノに夢中になっていました。バスケットボール部に所属していましたが、音楽の先生に声をかけていただき、合唱にのめり込むようになったのもこの頃です。演奏することの楽しさを覚え、自然と高校生になってもピアノと合唱中心の日が続いていきました。そして、大学生でオーケストラに入ったのも、今思えば自然な流れだったのかもしれません。
 
合唱もオーケストラも、みんなでひとつの場所に集まって声を出し、演奏する。普通の日常では当たりまえの趣味活動で、それを楽しみに日々の生活を頑張ることができていました。
 
残念ながらこの3月以降は、様々なコンサートが中止もしくは延期されています。新型コロナウイルス感染防止のためやむを得ないことは十分承知していますが、晴れの舞台を楽しみに、日々時間を割いて熱心に練習して来られた演奏者の姿を想像すると、なんともやりきれない気分になります。
 
一日もはやく、当たりまえのようにひとつの場所に集まって歌い・演奏できる日々が来ることを待ち望んでいます。
 
 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩