Dr Makoto’s BLOG

足を労わる ~パーキンソン病と足のむくみ

パーキンソン病2020.10.19

カラっとした秋晴れの週末、久しぶりに暖かい陽の光を浴びることができました。

パーキンソン病患者さんからよく相談をいただくことのひとつに「足のむくみ」があります。
健康な方でも夕方になると足がむくむ傾向にあるようですが、たしかにパーキンソン病患者さんにはむくんだ足の方が多い印象を持っています。
 
「むくむ=心臓や腎臓が悪い」というイメージをお持ちの方も多いようで、それを心配して相談をいただくこともありますが、パーキンソン病患者さんの多くは筋肉の硬さのために足がむくんでしまうことが多いようです。
と言いますのも、血管のまわりにある筋肉のポンプ機能は、心臓に戻ってくる静脈の血流に大切なのです。パーキンソン病で筋肉が硬くなってしまうと、筋肉のしなやかなポンプ作用が働きにくくなってしまい、ついつい血流が溜まりがちになり、むくんでしまうと考えられています。加えて、座る時間が長くなってしまうと、血液は下半身に溜まりがちになるため、ついついむくみやすくなってしまいます。さらに、パーキンソン病治療薬の副作用でむくむこともありますので、パーキンソン病患者さんの足のむくみは、筋肉の硬さ、姿勢、治療薬と色々な要素が影響しているようです。
 
夕方になるとむくみが目立ってくるのは、それだけ毎日足が頑張っている証拠なのです。
「ポンプよガンバレ~」と念じながら(笑)、お風呂で足を温めてあげて、丁寧にマッサージをして足を労わってあげる。
そして、寝るときにタオルを敷いて足を少し高くして労わってあげる。
そんな日々の習慣で足を大事に大事にケアしていくと、むくみは少しずつ引いていくはずですよ。

私も先ほど風呂で念入りに足マッサージをしてきたところ…気持ちよくて、ついつい足つぼマッサージを受けたい気分になってしまいました。今夜はぐっすりと、よく眠れそうです。
 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩