Dr Makoto’s BLOG

「推し」とドーパミン

クリニック2021.02.01

ここのところ、天気が急テンポで変わっています。
先週はクリニックの外が真っ白になる日がありましたが、そんななかでも診療やリハビリテーションに励まれる患者さんには頭が下がる思いです。
幸いにも穏やかな天気となった週末、みなさんはいかが過ごされましたか?
 
ところで、「推し」という言葉、耳にしたことがあるでしょうか?
10代から20代を中心に、ネットやSNSで市民権を得ている言葉で、簡単に言うと「一番好き」という意味なのだそうです。もともとは、アイドルグループ中で一番応援しているメンバーのことを指す言葉だったようですが、今はモノや人など対象を限定せずに、「他人に推奨したいくらい好き」という意味。これまでの言葉では「贔屓」に近いようですが、どうやら「推し」には熱い気持ちがこめられているようです。
 
「ときめきホルモン」や「報酬系ホルモン」とも言われるドーパミン。私たちが目標を達成したときに満足感を感じ、爽快な気分になるのもドーパミンのおかげです。仕事で上手くいった、試験に合格した、美味しいものを食べた、1時間ウォーキングした…普段のこんな成功体験を通じてドーパミンは増えていきます。
 
そして、アイドルの追っかけや美人・イケメンをみてときめくときにも、ドーパミンが増えていきます。「目標を達成!」という大事ではなくても、自分の外に憧れの対象を持つことで、自然と気持ちが高揚していき、ドーパミンが増えていきます。
 
つまりは、これって、今でいう「推し」なんですね。
「推し」があると、表情が生き生きとしていき、「推し」から受け取ったエネルギーが仕事への原動力になったり、物事に対する考え方が前向にきなっていくようです。
 
そういわれると、私にも「推し」の俳優やスポーツ選手、アナウンサー、歌手…たくさんいるような気がします。「これが自分の贔屓」って意識することはあまりないと思いますが、「これが自分の推し」って意識するだけで、なんだか気分が高まるのが不思議。そうやって今の若者は気分を高めているなんて思うと、なんだかスゴイですね。
 
探してみるのも楽しいかもしれません…みなさんの「推し」は何でしょうか?

 

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩