Dr Makoto’s BLOG

正しいウォーキング HALのこと

クリニック2018.03.10

日々の健康のために「ウォーキングが大切」…もちろん正しいことではありますが、
実は「『正しい』ウォーキングが大切」という前提がつくのです。

いろいろな病気の影響で筋力が低下してしまい、それでも生活のためになんとか歩こうと頑張っているうちに、
知らぬ間にクセがついた歩き方となってしまいます。
このように、落ちた筋力をカバーする「代償」というはたらきは必要なことなのですが、
次第に歩行で使う筋肉・使わない筋肉の差が広がり、ますます歩き方のクセが目立ってしまうようになります。

歩行をサポートし、本来の・クセがない歩き方に近づける医療用ロボットスーツHAL。
北海道では本院とクリニックの2施設でHAL治療が可能で、導入してから1年が経ちました。
HAL治療の実際は、約1カ月にわたって合計9回(1クール)、下半身にロボットスーツを着用して
歩行訓練をおこなっていきます。

これまでクリニックでHAL治療を行った患者さんは、歩くスピードが上昇したり、歩幅が大きくなったり、
姿勢が良くなったり・・・様々な効果を実感されています。
残念ながらHALの効果は一度きりで永世に続くものではなく、繰り返してHAL治療を行うことで、
ながく良い状態を保つことができるようになると言われています。

先日2クール目のHAL治療を終えた患者さん。
1クール終了時に歩行スピードが増し、姿勢が良くなった、長い距離を歩いても疲れにくくなったという話をされ、
実際に機械を利用した歩行分析のデータも良くなっていました。

今回は約半年経って、歩きにくさが目立ってきたという患者さんの実感もあり、2クール目のHAL治療を
おこないました。もちろん半年経過していますので、前回のHAL治療終了直後の歩行状態には及びませんが、
歩行スピードや姿勢は前回のHAL開始時と比較しても格段に良く、歩行分析データでも比較的良い状態を
維持できていました。

今回2クール目が終了した時点では、さらに歩行スピード・姿勢・歩行解析ともに良くなっていましたので、
今後うまく継続していくことで、調子の良い歩行状態を保つことができるのではと期待しています。

なによりも、HAL治療によって患者さんが希望を持てるようになったことが嬉しいことです。

廣谷 真

廣谷 真Makoto Hirotani

札幌パーキンソンMS
神経内科クリニック 院長

【専門分野】神経内科全般とくに多発性硬化症などの免疫性神経疾患、末梢神経疾患
眼瞼けいれん・顔面けいれん・四肢の痙縮に対するボトックス注射も行います。

【趣味・特技】オーケストラ演奏、ジョギング、スポーツ観戦、犬の散歩